開発エンジニアの「働き方革命」
「働き方革命」を読んで思ったことなどいろいろと。
働き方革命―あなたが今日から日本を変える方法 (ちくま新書)
- 作者: 駒崎弘樹
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2009/05/01
- メディア: 新書
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著者の駒崎氏とはその昔彼がSFCで学生ベンチャーやってる頃*1に交流があり、NPO法人での活躍も耳にしていたんだけど、著書を拝読するのはこれが初めて。dankogai氏の書評を目にしたのもあり興味が沸いた。
レビュー詳細はdankogai氏のエントリやamazonのレビューに譲るとして、「『働く』というのは仕事のために活動することを指すのではなく、『傍を楽にする』という視点で人生を改革しよう」というのが主旨。
その前に彼の言うように、ライフビジョンっていうのは人それぞれなので、全ての人に同じ価値観を押し付けることは当然できない。けれども、少なくとも彼の価値観には共感できた。その上でこれに照らし合わせて自分の生活を見直してみた。
年初の目標
今年もあっという間に上半期が終わりそうな訳だが、年初に部署内で「今年の目標は?」という話になったことを思い出した。自分の目標はなんだったかというと、
「今年は暇を作る」
という目標を掲げた。これはもちろん仕事の手を抜く、という訳ではなく、「自分の仕事に没頭するのみならず、事業自体のビジネス的側面をより俯瞰的に捉えられるよう知識を補完する時間をつくりたい」という意味や、「新しいことに投資する時間をつくりたい」、はたまた裏には「家族との時間をもっと増やして充実させたい」という意味だったんだけど。
僕は事業部内では上の方の立場なんだけど、それでも正直事業部長も同席していた社長(!)も心なしかヒイていたような気がする。(笑)
けれども、少なくともこの本を読んで、そこまで明確にライフビジョンを描いた上での話ではなかったものの、価値観に対して少なくともそのとき考えた方向性というのは間違っていなかったのでは、と思った。
仕事以外で「働く」こと
まず家族に対して自分は働けているか、というと、今は80点くらいかしら?
前にも書いたようにウチではすっかり妻と共働きなんだけれど、当然ながら僕の方が遅く帰ってくる。僕が家に到着するまでに、妻は子供を保育園に迎えにいき、帰ってきてご飯を与え、お風呂に入れ、寝付かせる。それから夕飯の準備・・なんてしていたら持つ訳がない。そこでウチでは僕が夕飯係になった。*2
休日は子供の世話と買い出し、それに趣味の菜園をいじっているとあっという間に終わる。
体力的には正直辛いんだけど、妻ともども充実した日々になっていると思っている。
もうひとつ、地域社会への貢献、という観点では、興味はあるけれどもちっとも行動には移せていない。強いて言うなら子供の保育園が中心となって地域の人との輪を形成する可能性はありそうなんだけど、彼の言葉を借りるなら、まだ効率的でない点が残されているか、ムダな部分がまだあるのかも。
開発エンジニアの「働き方革命」
彼が職場で効率改善を促したのは、会議の改善やマニュアル化、権限委譲などが主な点だった訳だけど、正直同種の方法は開発エンジニアにはぴったりあてはまらないことも多いのではないかと思った。
ただし逆に開発エンジニアはやりかた次第、特にメンバーおよびチームの熟練で劇的に生産性を上げることができる可能性があると思っている。それこそ、営業系や企画系では到底想像もできないような。
もう1つの理由は、楽をするためです。フレームワークが提供してくれている各種機能を使うことで恒常的に使用する機能を再開発しなくて済みます。また、複数人で開発していると当然ムラがでてくるものなのですが、そこもフレームワークが吸収してくれたりします。しなくてよい苦労をする必要はどこにもありません。技術者の白痴化という意味ではマイナス面もありますが(フレークワークが構造的に複雑なところを簡略化しているため、本来知っておくべきことを知らなくてもよいままにさせることがあるため)、用法容量を守って正しく使えばとても有益な武器になります。
そういう意味で、最近こっちのエントリが気になっていた。フレームワークを採用して得られる「結果」としては確かに正解なんだけど、「目的」ではないような気がした。フレームワークを採用して効率化を上げるのはあくまでプロセスで、「暇をつくること」が目的なんじゃないかな。「売上のことにもっと注力して考え」たり、はたまた「自分が価値を提供したいと思ったことに時間を割い」たりするためのツールなんだと思う。
実際ここ1年でチームとしての生産性は劇的に上がったと思っている。特に今年に入ってからは徹夜も休日出勤も縁がなく、遅くても深夜残業(22時)までには引き上げられている。*3
ただやはり総じてまだまだ自分のための暇が作れていないな、と痛感した。特に仕事の面では、生産性は上がったものの安定的な利益という面でまだ自分に余裕を与えられていないと思う。
まずはそこからだね。